ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

アイドルのインフルエンザ脳症という死因はなぜ広まったのか、断定的に語ること

寡聞にして存じ上げなかったのですが、18歳のアイドルが急死したとのこと。

 

www.huffingtonpost.jp

 

その死因について、様々な憶測が広がりました。センシティブな話題なので、記事にしようか迷ったのですが、ウワサが徐々に広がっていく様子というものは、ある程度記録にしておいた方が後世の役に立つかと思い、短く記事にさせていただきます*1

 

*1:今回はツイートをそのまま載せるのもどうかと思い、すべて名前を伏せて引用にしました。信憑性という点で質が落ちるのは仕方ありませんが、一応調べた結果をそのまま載せております、という言葉を信じていただければうれしいです

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トランプはプーチンを尊敬しているか、我々は無実なのか

ルポ トランプ王国――もう一つのアメリカを行く (岩波新書)

 

本当に毎日ニュースに事欠かないトランプ大統領ですが、今度は「プーチンを尊敬している」という発言をしたとか。

 

www.asahi.com

 

トランプ政権は確かに、ロシアへの親和政策をとっているので、さもありなんな発言ではありますが、英語の記事にあたると、微妙にニュアンスが異なる部分があったので、そこんところを短めに書きたいと思います。

 

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宇多田ヒカルのJASRACの発言について、著作権原理主義者

JASRACが音楽教室への著作権料を始める、という報道が色々と賑わせていますが、そのことに対する宇多田ヒカルの呟きが人気を集めています。

 

 

さすがヒッキーという感じですが、細かいところが気になる私は「学校の授業で」という部分が気になりました。んん?音楽教室と学校の授業は同じなのか?

 

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【追記】横浜市の「保留児童」について考える、あいまいな定義のわたし

【2/18追記】

横浜市に、今回の疑問点を質問したところ、ようやくお返事が来ましたので、追記いたします。きっと一年で一番忙しい時期の中、一個人の質問に回答くださったことには大変感謝しております。

 

質問した要点は以下の2点。

 

①保護者に「保留児童」という言葉で通知をしているのはいつからか。

②2011年度から横浜市における「待機児童」の定義が変更されているように見えるが、それが事実かどうかとその理由。

 

回答は以下の通り。

 

①について(要約)

平成24年度4月より、入所できなかった方向けに、「保留児童」と「待機児童」の違いを説明している。

・保護者への通知についても、子ども子育て支援新制度が開始されてからは(平成27年度から*1)、「施設・事業利用調整結果(保留)通知書」、それ以前は「保育所入所不承諾(保留)通知書」と通知している。

 

②について(全文)

 国の待機児童の定義に変更はありませんが、横浜市において、国の定義に基づき、その運用を変更しました。
 理由としては、各区において保護者の状況をきめ細かく把握するように努めたことから、平成23年度から「育休を取得されている方」を、また、平成24年度から「主に自宅で求職活動されている方」を待機児童から除外することとしています

 

ということで、今回当ブログが調べたことは、間違っていなかったということです。よかったよかった。いや、よくはないんだけど。

各項目について考察をするならば、横浜市としては以前より「保留」という言葉で待機児童との区別をつけていたつもりではあるが、それを実際に保護者へ説明するようになったのは2012年4月から、ということになります*2。待機児童ゼロは2013年ですので、一応、それより前に「保留児童」との違いは保護者向けに通知しているということになります。なので、やはり巷で言われるように「保留児童という言葉で誤魔化したから待機児童ゼロになった」という言説は、正確ではありません。

 

ただ、市は、「保留」という語は以前より使用していると説明はしているものの、それは「保留児童」ということではないわけで、保護者の方がそれで待機児童と区別をしていたかというと、そうではないでしょう。ここらへんがとてもお役所的だなと思います。結局、「保留児童」という表現を説明し始めたのが2012年度からなのですから、これは待機児童の誤魔化しじゃないか、と疑われても仕方がないでしょう。

 

それよりも問題なのが、やはり②の、「待機児童」の定義(市の説明としては「運用」)を変更していることでしょう。記事に書いたように、やはり「待機児童」の定義を、2011年度から「育休取得」を除外・2012年度から「自宅求職」を除外と変更しています。2010年から2011年の間にかけて、待機児童の数がぐっと下がっていますが(下記グラフ参照)、その下落率が保留児童と乖離していることから、この定義変更の効果もあったのでしょう(「育休取得」を加えれば971→1248人)。穿った見方をすれば、2011年はなんとか1000人切りたかった、ともとれます。

 

また、2012年度の「自宅求職」の除外ですが、「国の定義に基づき」と回答いただきましたが、国の「待機児童」の定義は、

 

保護者が求職活動中の場合については、待機児童に含めることとするが、調査日時点において、求職活動を休止していることの確認ができる場合には、本調査の待機児童数には含めないこと。

 

なので、果たして定義通りか、というところに疑問符はつきます。「自宅での求職活動」は「求職活動を休止している」と同義なのでしょうか?これは横浜市だけではないのですけども。

 

なるほど、「待機児童ゼロ」の2013年度から、「待機児童」の定義に変更はないわけですが、果たしてそれを「以前より、同様の解釈において「待機児童数」を集計しています」と言ってもいいのかどうか。なんでもかんでもオープンに説明すればいいとは思いませんが、この定義の変更はかなり大きいものだと思いますし、何等かの形で市民に告知をするべきだったのではないでしょうか。

また、定義を変更した理由を「保護者の状況をきめ細かく把握するように努めた」ためとしていますが、それならばその数を統計上で示せばよいわけで、何も「待機児童」から数を引かなくてもいいんじゃないかと思います。ちょっとここら辺は、回答に苦しんだのだろうと推察します。 

 

とまあ、色々書きましたが、やはり市としては努力されていると思うので、何とか報われる形になって欲しいなあというところで追記を終わります。

 

【追記終わり】

 

 

一時期は、「待機児童ゼロ」で話題になった横浜市ですが、これは「保留児童」という言葉でごまかしてるんでねえかという話が、やはり昔から出ています。こんなツイートが目に付きました。

 

 

まあまあ確かに喧嘩を売っているようなお言葉ですよね。しかし、そもそも「保留児童」とは何か。調べると丁寧に解説しているサイトがいくつもあるのですが、その歴史的な背景と問題点について一箇所にまとめているサイトが少なめでしたので、一応、私も時流にのってみようかなと思います。

 

*1:横浜市 こども青少年局 子ども・子育て支援新制度

*2:細かいところを気にするなら、2012年度に入所できなかった場合の通知は2012年2月ごろに(1次は)来るはずなので、そのときの人は2013年度に申しこまなければ、まだ「保留児童」と「待機児童」の区別がなんじゃこりゃ、だったはずです

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ホワイトハウスのスペイン語ページは閉鎖されたのか、「トランプだから」の落とし穴

 移民嫌いのトランプ大統領が、ホワイトハウスのスペイン語ページを閉鎖したとして話題です。

www.gizmodo.jp

なるほど、現在、「https://www.whitehouse.gov/espanol」のアドレスを踏むと、スペイン語サイトにはたどり着けません。

 

しかし、これを閉鎖といっていいのか、少々疑問でしたので、調べてみました。

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ノックは何回するのが正しいのか、プロトコールとディグニティー

ノックの音が (新潮文庫)

ちょっと前にツイートしましたが、ノックの回数について、初出不明の話がビジネスマナーとして出回っています。

careerpark.jp

要約するならば、

 

ノック2回はトイレ用

ノック3回は親しい間柄に

ノック4回が国際標準という「プロトコールマナー」

 

ただ、日本では3回がいいよという話。

 

しかし、すでに指摘されている方がいるとおり、

 

ノック2回はトイレ用?プロトコール・マナーという妄想 - Traveler Hideは考える

 

どうも英語圏のYahooAnswersやマナーに関するページを見る限り、「プロトコールマナー」もなければ、ノックの回数についても正式に決められているようには見えません。

 

「じゃあこの話はマナー講座が稼ぎたいだけに創りだしたものだ」としてもいいのですが、火のないところに煙は立たないですし、前回のナイチンゲールの話で調査不足は身にしみたので、がんばって調べてみたところ、なかなかノックの歴史については面白いことがわかったので、それを記事にしてみたいと思います。今回は調べたことが結構アタリだったのでワクワクしながら書きました。私のワクワクが伝わるとうれしいです。

 

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里親が決まって閉店したサンフランシスコの猫カフェはいい話なのか、ホームズの立場

 

みなさんはネコはお好きですか?私は昔から好きで、生まれた時からネコがいましたし、海外にいたときもネコを拾って育てていたし、ネコがいない生活を送っているのは本当にここ数年といったところです。

そんな無聊を慰めてくれるのに、確かに猫カフェはうってつけで、時たま遊びにいきますが、少々料金が高いのが厳しいところなので、私は通勤経路にあるいろいろな猫スポットを把握していて、寂しい時はときどき路上で遊んでいます。

さて、そんな猫カフェのツイートが話題になっていました。あえて元ツイートはあげませんが、内容としては、

 

サンフランシスコの猫カフェが、「全部里親が見つかったから」という理由で閉店した

 

というものでした。しかし、アメリカと猫カフェがあまり結びつかなかったこと、ツイートの会話の中で、どうもこの話が、英語の先生からの「伝聞」であったことから、本当にそんなカフェは存在するのか、というところを調べてみました。

 

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