ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

FacebookのAIは処分されてなんかいない、我々はSFになれない

簡単にtwitterでも呟きましたが*1、ここ1ヶ月の間で、Facebookが研究しているAIのチャットボットについて、SF的憶測が流れています。

web.archive.org

*2

 

私の記事の養分ネタ元になる、おなじみスプートニクですが、実際はこれよりも前に、いくつかのメディアが話題にしていました。

 

karapaia.com

 

しかしながら、既に指摘したとおり、このメディアの報道は煽りすぎで、正確性に欠けているので、いったいどんな研究だったか、というところも含めながら検証していきたいと思います。

 

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ホリエモンロケットは「失敗」だったのか、部分で全体を語らない

文庫 ロケットボーイズ 上 (草思社文庫)

 

「ホリエモンロケット」*1の打ち上げに関して、こんなツイートが話題を呼んでいました。

 

 

日本のメディアは「失敗」という表現であるが、アメリカのメディアは「partial success(部分的な成功)」という表現で、完全な成功を常に求める日本のあり方に疑問を呈するツイートがゴマンと寄せられています。

 

私はその件については部分的に賛成するのですが、果たして日本のメディアは全て「失敗」と表現しているのか、アメリカのメディアはもっとポジティブに表現しているのか、というところを調べてみました。

 

*1:

という言い方はよいのかよくわからないのですが、伝わりやすいのでそうしています。正しい名前は「MOMO」だそうです

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東京都の小学生は五輪ボランティアに強制参加するのか、ファクトチェックの防犯対策

東京オリンピックは、ここにきて、木材の無償提供だとか、大幅な残業とかで揉めているようですが、こんな話がありました。

 

 

事実誤認がちょっとひどいなと感じたので先ほど呟いたのですが*1、ちゃんと記事にしようかと思い、簡単に上記記事の誤りを正したいかと思います。

 

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「行ってくる」と「行って参る」に違いはあるのか、自己啓発的日本語の呪い

十三人の刺客

日本語は美しい、という言説はそれなりに支持を集めるようで、こんなツイートが話題になっていました。

 

 

 

「遅ければ、盆に」のくだりは、すでに指摘があるように『十三人の刺客』の一場面のようですが、私が気になっているのは「行ってくる」と「行って参る」に、果たしてそんな違いがあるのか、というところです。今回は夏休み大人の自由研究ということで、ちょっとお金をかけて調べてみました。

 

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ヒアリに刺されても死なないのか、後片付けが大事

ヒアリの生物学―行動生態と分子基盤

すっかりヒアリという言葉が定着した日本ですが、「アメリカでは年間100人死亡」という言説が、環境省が否定したという話が、現在まとめサイトなどで広まっています。そのソースが日テレのニュースなんですが、記事タイトルが「ヒアリ死亡例確認できず 環境省HP削除」というもの。

 

web.archive.org

 

記事内でこう書いています。

 

国内で相次いで発見されているヒアリについて、海外での死亡例は確認できなかったとして、環境省はホームページから表現を削除した。

 

アメリカ農務省の報告などに基づいて「アメリカで年間100人程度の死亡例もある」などとしてきたが、専門家からの指摘で死亡例が確認されていないことが分かったという。

 

私は、今回の日テレの記事は、誤報に近いものがあると思いましたので、以下簡単に訂正してみたいと思います。

 

 

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キアヌのゲイ疑惑のコメントのコピペの出所、可能性の王国

2年ほど前に、キアヌのゲイ疑惑に関するコメントについて記事を書きました。

 

www.netlorechase.net

 

コメントのコピペはこんな感じ。

 

インタビュアー「キアヌ、君はゲイであるという噂もあるし、バイセクシャルであるとも言われている。
本当のところは、どうなんだい?」

キアヌ「僕がその噂を否定するのは簡単だ。けれどそんなことをすれば僕はゲイやバイセクシャルの人間であると思われたくないということになるだろう? 

それはひとつの差別意識の表れだよね。

ゲイだと思うなんて酷い、バイセクシャルの人間だと決めつけるなんて失礼だとそんな風に考えること自体が、実はひどく差別的なんだから。

セクシャリティにかかわらず、僕は僕だよ。
僕の俳優としての評価は、セクシャリティとは無関係だ。

だからその質問に対する答えはたった一つ、『ノーコメント』だよ」

 

有名なコピペなので、見たことがある人もいるのではないでしょうか。

 

ただ、出所についてはどうしてもわからず、記事は中途半端な感じで終ってしまいました。

 

しかし、twitterでフォロワーさんから、掲載誌について教えていただきましたので(ななもさんありがとうございます)、リライトという形で改めて記事にしたいかと思います。

 

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朝日の「隠れ待機児童ワースト10」の気になるところ、オープンソースの共通化

朝日のこんな記事が目に付きました。

 

digital.asahi.com

 

朝日新聞が87の自治体を調べ、「隠れ待機児童」のワーストランキングを作ったものです。もちろん記事の主意は、現在の「待機児童」の数が実態に合っていないものなので、その課題を浮き彫りにするものではありますが、私としては、この「ワーストランキング」がとても気になりました。

 

私個人の意見としては、このランキングの問題点は大きく2つあり、①人口比が全く違う都市でランキングをつくることの意味②「隠れ待機児童」の定義のあいまいさをあげます。記事にするまでもないかと思いツイートしたのですが*1、内容をまとめたいと思い、検証してみました。

 

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