ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

【追記あり】ポルノ女優と過ごす権利を得たロシアの少年の話はどこまで本当か、うらやましくなんかない

【2/27追記】

「ゲームサイトは存在するらしい」というご指摘を頂いたので、その件に関して青地で追記いたしました。でもアヤシサはあんまり変わらないかも、というか増していくばかりです。

 

今日はおなじみスプートニクの記事から短めの話。

jp.sputniknews.com

ロシアの16歳の少年、ルスラン君はコンピュータゲームが好きで、ある日、あるゲームサイトの武器を購入したところ、10万人目の訪問者(もしくは登録者)ということで、なんと「ポルノ女優と一ヶ月間ホテルで過ごす権利」を受賞したんだとか。

 

こんなうらやましいけしからん話があっていいものか、少しばかり調べてみました。

 

***

 

スプートニクはめずらしくソース元を明らかにしていて、「LifeNews」というサイトのようです。

lifenews.ru

全編ロシア語でお送りされているので、Google先生に頼っての解読にはなるのですが、まあスプートニクの内容と大差はないようです。

www.youtube.com

動画もついていて、正直何を言っているのかわからないのですが、まあ、「やったぜ」みたいなことをいっているんでしょう。けしからん。しかし、動画のどのひとがお母さんでお姉さんなのかよくわからないロシア美人ですな。

 

一月過ごせるというポルノ女優は「Екатерина Макарова」という人物で、写真を見る限り、一目でわかるセクシー女優です。ちなみに同姓同名のテニスプレーヤーがいます。というか検索してもその人しか出てきません。

 

ロシアではこの話が結構なニュースになっているようで、いろいろなメディアが取り上げています。下記のロシア語スプートニクにまとまっております。

news.sputnik.ru

 

しかし、私が不思議に思ったのが、これだけのメディアが取り上げているにも関わらず、少年がゲットしたきっかけの「ゲームの武器販売サイト」及び「ゲーム名」が出てこないことです。みんな「あるサイト」「あるゲーム」という表現なんですねえ。このすてきな権利を贈呈したゲーム会社が出るでもなし。

ためしに、この記事より前の日付検索で、「компьютерных игр оружие продают 100-тысячным(コンピュータゲーム、武器、販売、10万人)」という形でGoogle検索をかけますが、引っかかりません*1。すこし検索ワードを変えてみても結果は同じです。

 

【2/27追記】

以下のページによると、LifeNewsは当初はゲームサイトのリンクを載せていたようです。

www.buzzfeed.com

それが「Case4Real」というサイトなんですが、この記事によると、

tjournal.ru

そもそもユーザーコミュニティのhttps://vk.com/cases4realCases4real - YouTubeの登録者数を合わせても10万人までとどかなそうなので、そこからも疑わしさが広がっていきます。まあでも、これはCase4Realの登録者数の実数ではないですし、ゲームをやってる人がどこまでコミュニティに登録するか、というのは測りがたいところではありますが。

 

公式も、正確に「ポルノ女優と一月過ごせる」とは語っておらず、

https://vk.com/wall-107395984_25085

「誰もがうらやむ最高の贈り物があたる」というコメントであり、10万人がどうこう、という話でもなさそうです。

で、LifeNewsはゲームサイトの記述を削除した理由を「宣伝したくなかったから」ということにしています。

 

しかも動画に出てきた姉妹も女優の可能性があるとか、ルスラン君は本当は14歳だったとか、ボロボロとアヤシイ話がたくさん出てきているようです。まあ、いずれにせよ、「ゲームサイト」「ルスラン君」「ポルノ女優」の3者が得をするように仕向けられたできごとだったようです。

 

 

もう一つひっかかることに、このルスラン君、どうやら俳優のようなんですね。

www.kino-teatr.ru

あまり有名な映画に出ているというわけでもなさそうですが、見る限り子役時代からけっこうな数の作品に出ています。今年も3本の映画だかドラマだかに出演予定のようで、『白象の年(Год белого слона)』という作品では主役なんじゃないんですか?うーん、ちょっと偶然にしちゃ、できすぎじゃないですかね。

 

ついでに付け加えると、この件に関しては、モスクワの人権省(かな?)の美人担当官も言及していて、「法律的には問題ない」としながらも、「未成年者を堕落させるようなこういったSNSのありかたは法の変更も視野に入れたい」というようなことを言っているようです*2

 

 

***

 

今回はなにせロシア語なので、どうも調べ切れていない感じもあり、憶測の域を出ませんが、個人的にはこの一連のニュース、ただの売名行為、というような気がしないでもありません。そこそこ売れ始めた子役上がりの俳優と、まだまだ無名なポルノ女優。利害は一致するような気もいたします。

 

というわけで、真相はまだ藪の中です。追記できるようなことがあればUPDATEしていきますが、それなのに無理に書いたのは、うらやましいわけじゃないんだからね!

 

 

 

 

 

 

*1:компьютерных игр оружие продают - Google 検索

*2:"The fact act has not occurred. If the boy went to a meeting with his winnings, then this is the article,"

"We do not have enough preventive measures associated with an Internet depravity, and what is happening in social networks, of course, the shortcomings of legislation,”

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