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ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

オーストラリア人の隣人は引っ越し祝いを持ってきたのか、英語ってムズカシイ

こんなtwitterの投稿がバズってます。

hamusoku.com

twitterは投稿が削除されるとアレなので、みなさんのお嫌いなハム速さんをソースにあげました。

マガジン編集者の方のtwitterアカウントで、帰ってきたら家の前にワインと手紙が置かれていて、なんだなんだと思ったら、引っ越し祝いだったとか。オーストラリアの方のようで、日本には引っ越しの際にギフトを贈る習慣があると知り、実践してみたんだという話。ええ話だなあという感じではあります。

しかしながら、そこに掲載された日英併記の手紙が、「Google翻訳」を使ったといいながら、あまりに流暢な日本語であり、「英語より日本語が完璧」「自作自演」と疑われている始末です。

 

というわけで、少ない情報でどこまで事の真偽に迫れるか、検証してみたいと思います。

 

 

***

 

書かれている英語の文章の印象 

 

さて、まずは疑われている英語と日本語の手紙を書き起こしてみましょう。

 

Dear neighbor,

隣人の方へ

My name is ****1. I moved into apartment #101 last week.

私の名前は***です。私は先週101号室に引っ越してきました。

I read that it is tradition for me to to give a gift when moving apartment, so please enjoy this gift from my home country of Australia.

私は引っ越しをした時に、近所に挨拶をする習慣が日本ではあることを聞いたことがあります。このギフトは私の母国オーストラリアの物です。どうぞお楽しみください。

I am new to Japan, so I can't speak Japanese yet. I hope Google Translate works!

私は日本に来たばかりで、日本語が話すことはできません。このGoogle翻訳が上手く活用出来ていますように!!

Thank you.

よろしくお願いします。

 

私は英語の記事をよく取り扱いますが、非英語圏での生活で培われた英語力であり、且つ学生時代はテキトーに授業を聞いていたおかげで、文法レベルはお恥ずかしい感じです。なので、あんまり大きな口を叩かず、印象で話をしたいかと思います。間違いがあったら随時指摘してください。

 

私は、この英文を読んだときに、大きな瑕疵はないものの、あまりネイティブっぽくない文章だな、という印象を受けました。

 

例えば、冒頭

Dear neighbor,

オーストラリアの英語はイギリス英語に準じているかと思うので、ネイティブのオーストレイリアンなら、「neighbour」を使うんじゃないかな、という気がします*2。まあ、家庭環境にもよるので、絶対、というわけでもないですが。

 

また、「My name isなんてネイティブは使わないだろ」みたいな意見も散見されますが、必ずしもそうではないかなあと思います*3。この場合は、何となく日本英語に合わせてくれたのかな、という感じもします。

 

次の

I moved into apartment #101 last week.

は、「apartment」を「this apartment」にしたほうがいいんじゃないんでしょうか。また、同じアパートの住人なのであれば、「I've moved into...」と、完了形を使わないと、違うアパートに越したのかな、という印象を受けます。文法的に不正確かといわれると、微妙なんですが、感じとして。

 

I read that it is tradition for me to to give a gift when moving apartment,

 

この英語はちょっと不可解です。細かいところでは、「it is a tradition」でしょうし、その後に「for me」と続くのが、ちょっとよくわかりません。「私にとって」の習慣なのか? 「in Japan」がどこにも入っていないのもオカシイですね(もしくはa Japanese traditionにするか)。また、「when moving an apartment」でしょうし、そもそも「when moving」だけでもよさそうです。だいたい、ここでの「that」節はちょっと不自然です。

 

また、続く

so please enjoy this gift from my home country of Australia.

も、英語は同じ表現の繰り返しを嫌うので、前文で「a gift」と出てきたのに「this gift」ともう一度繰り返すところも不自然な感じがします。

 

文の締めが「Thank you」はおかしいんじゃないかという人もいましたが、堅苦しい手紙でもないので、別に「Regards」とかは使わなくてもいいし、これは普通だと思います。

 

以上、拙い英語力で読んでいきましたが、何となくネイティブが使う英語にしては表現がぎこちないなあという感じが伝わりましたでしょうか*4。本当に越してきた隣人はオーストラリア人なのでしょうか。

 

プレゼントされたワインについて

ちなみに、プレゼントされたワインは、「わ」というロゴが大きく目立つもので、以下のものになります。

www.jacobscreek.jp

Jacob's Creekはオーストラリアの有名なワインブランドで、「わ」は、日本の和食職人とコラボして生まれた、和食用ワイン、という位置づけです。

Jacob's Creekのオーストラリアのページや*5、オーストラリアのワイン販売サイトを見る限り*6、この「わ」は、オーストラリア国内で販売されていないようなので、恐らく日本国内で購入したものと思われます。成城石井あたりで買ったんでしょうか。とりあえず、オーストラリア土産ではなさそうです。

 

ただ、日豪の架け橋的な意味合いがこもっているのだとしたら、なかなかいいセンスだと思います。

 

今日のまとめ

①件のオーストラリア人の手紙の英語は少々ぎこちない。

②ギフトのワインはオーストラリアでは販売されておらず、日本で購入したもののようである。

 

と、書いてしまうと、なんとなーく自作自演臭が濃くなってしまうのですが、そうする理由もよくわからないので、別の推測を立ててみます。

 

オーストラリアの人が日本で仕事を持つとしたら、英会話学校の講師、という場合が多いのではないでしょうか。その場合、本国できちんと日本語の勉強もしてくることもあるようです*7。実は日本語はぺらぺらだったりして。

となると、ぎこちない英語もある程度流暢な日本語も、その伏線で、ある日突然、「今まで騙してて悪かったねHAHAHA」と、ネタばらしをされるんじゃないんでしょうか。それで、「君もこの英会話学校に入りなYO!」とすすめられるとか。まあ、それはないにしても、日本の滞在年数が長い友人が、この隣人にはいそうです*8

 

というわけで、今日は英語ってムズカシイというオハナシでした。でも、こういう隣人が本当にいたら、仲良くなると楽しそうです。

 

  

*1:twitterには実名が挙がっているのですが、個人情報なので当ブログでは伏字にします。

*2:ちなみにオーストラリアには「the Neighbours」というドラマがありました。

Neighbours - Wikipedia, the free encyclopedia

*3:「ネイティブはMy name isとは言わない」のウソホント | ENGLISH STUDIO

*4:他にも「so」の使い方が気にならなくもないのですが、自信もないのでこれぐらいにしときます。

*5:Our Wines Filters | Jacob's Creekのオーストラリアでは「わ」は表示されない。

しかし、日本サイトでは表示される。

Our Wines Filters | Jacob's Creek

*6:Buy Wine, Champagne, Beer & Spirits Online | Dan Murphy's

*7:「講師の着任情報☆オーストラリアからローラ先生が着任!!」池田校のスクールなう!|英会話 AEON イーオン

*8:もしくはワーホリで知り合った日本人とか。で、その日本の友人がこの手紙を書いたとしたら、英語がぎこちなくて日本語が流暢なのも説明がつくんじゃないんでしょうか。自作自演にするなら、もっと日本語をぎこちなくすると思いますし。まあでも、全て憶測なので、脚注に留めておきます。