さて、先日、ドイツのスムテ村に中東からの難民が750名もやってくるという話題を取り上げました。
もちろん村人には戸惑いはあるだろうけれども、「国際的なシンボル」として、またネオナチに協力しないためにも、何とかしようと奮闘する姿であるというような記事だったと伝えました。
さて、もう既にスムテ村に難民は到着したはずですが、いったいどうなったんでしょう。追加調査という形で今日は書きたいと思います。
実際にスムテ村に難民の第一陣が来たのは11月2日の夜。
この様子はDailymailも動画にしています。
Dailymailによると*1、500人が一度に来たわけではなく、200人強ぐらいが現在シェルターに収容されてるんだとか。また、シリア難民だけでなく、19の国籍の人々が暮らしてるんだとか。
ところが英字メディアは11月5日らへんの日付が最後で、とんと続報が探せません。すげーメディアがスムテ村に入ってたような気もするんですけどね。
もちろん、地元のドイツメディアは続報を続けています。
13日と16日の記事ですが、ドイツ語には自信がないのですけれども、難民のために村の見学ツアーを行ってルールを確認したり、インターネットカフェができるだろうことが書いてあったりしています。
ちなみに、the independentによれば*2、難民の男性がうろうろ歩き回っている写真が多いのは、ケイタイの電波を探しているからだとのこと。ちょっと不思議なんですが、ケイタイの料金とかってどうなってるんだろう。
さて、ここからぱったりメディアが沈黙しているのは、もちろんフランスのテロがあったからでしょう。スムテ村の現状は徐々に忘れ去られていっているようにも思えます。
しかし当たり前ですが、大変なのは共に生活を始めた後です。
ニュースサイトではありませんが、現在のスムテ村の現状を発信しているブログを見つけました。
Sumte das Leben mit Flüchtlingen | ein Dorf unter dem Brennglas hat das Zeug zum Symbol
最新の記事は11月20日のもので、どうやらゴミのポイ捨て問題や、夜中に騒がしくすることへの苦情など、少しずつ問題が浮き彫りになってきているようです。
Die Probleme in Sumte | Sumte das Leben mit Flüchtlingen
ただ、それでもこのブログの投稿者は、「難民を一人の友人として扱うために」「解決策を模索していくべきだ」という趣旨を書いています*3。個人的にはその姿勢に敬意を表したいと思います。
とはいっても、世間はフランスのテロ事件で持ちきりですし、やはりスムテ村は世界的には忘れられ始めているというのが現状でしょう。井上陽水の『傘がない』という曲は名曲だと思うんですが、「だけども問題は今日の雨」なんですね。
こんなに「国際化」するまでは、少なくとも人々は自分の手の届く範囲のことにだけ心配をすればよかった。しかし地球の裏側まで瞬時に情報が届く社会になってしまってからは、望むと望まざるとに関わらず、我々は他人の傘の心配までしなければならなくなってしまった。これは喜ぶべきなのか悲しむべきなのか、複雑な世の中になったものです。
*1:
*2:
Sumte's mobile phone black hole may explain why its new refugee inhabitants constantly walk the streets trying to get a connectionとあります。
*3:sollte sich auch verhalten wie ein Freund!とかWir sollten lernen zu differenzieren und nach Lösungen zu suche.はそういうことを言ってると思うんだけど、誰かドイツ語に詳しい人にどうにかしてもらいたい。