人間楽したいと思うのは世界共通なのか、こんな記事が載りました。
そこまで楽したいか!というか、そんなこと技術的に可能なのか!という疑問がフツフツとわいてくるので、さっそく調べてみましょう。
【追記】
この記事を書いた後に調べてみたら、既にデマであることを何名かの方がまとめられていますね。ホーキングの記事を並行して書いていたら出遅れてしまいました。でもせっかく調べたのが悔しいので載せます。
IT速報さんがソースにしているのは以下の記事。
http://www.businessnewsline.com/news/201510020954110000.html
うーん、実際の音声は載せてくれているのだけれど、ソースがない。仕方がないので探してみます。
「Ronald Dillon AI」で引っ掛けてみます。すると、「NewYorkmagazine」の記事が引っかかります。9月29日。
んん?「City Employee Gets in Trouble Again for Talking Like a Robot」って、「ロボットみたいな声で話して」っていうことになってますよ。しかも「Again」ってどういうこっちゃ。
冒頭を読むと、こんなことが書いてあります。
昨年、ヘルスヘルプデスクのIT関係の電話で、ふざけたロボット声を出して20日間の定職をくらったRonald Dillonが、またアンドロイドみたいな声を出して同じ試練にさらされている。*1
ええー、なんじゃこのおっさん。ご丁寧に去年のおんなじような記事も載せてくれています。
つまり常習犯ということですね。どうしちゃったんでしょうね。
もうちょっと詳しい記事があります。
この記事によれば、彼の話す早口の「ブルックリン訛り」が聞き取りづらいといわれ、「無調」で発音することを心がけたんだとか。結局、部署の配置換えで、希望通りなところにならなかったところも、こういう反抗的な態度をとる原因にもなっているようです。ついでに人付き合いも悪く、カスタマーサービスに必要な能力も持ってないんだとか。
一応、有名どころのメディアも挙げておきます。
ABCnewsによれば、このロボット的行為は複数回行われていて、2013年の2月~4月、2012年の10月まで遡ることができるんだとか。どんだけやってんだ。というかなぜ雇われ続けているんだ。
というか、それよりも衝撃なのは、日本の記事のほうです。
AI全然関係ないじゃん!
いったい、何の記事をソースにしたのか不明ですが、どこをどう読み間違えれば、「AIに代わりに仕事をさせていた」となるんでしょうか。そういうことを書いた虚構新聞的な英文記事が存在するのか、故意に記事を書き換えたか、致命的に英語を読めないかの、いずれもしょっぱい感じのケースでしょう。
しかし、この記事が広まったのは、もちろん記事の内容がとても興味深いものだからです。おもしろければなんでもいい。メディアの基本です。まあ、なんでもいいんですけど、うまい話は転がってないということですね。
*1:Despite receiving a 20-day suspension last year for mimicking a robot while answering IT calls to the Department of Health's help desk, employee Ronald Dillon is about to be disciplined once again for talking to customers like a droid.