ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

いつまで若者は「海外離れ」をしているのか、あなたは何を捨てますか

世の中うまくいかないことはたくさんありますが、調べかけていたことについて、先に記事を出されることほど悔しいことはありません(長めのマクラ)。

 

ハフポス(正確には新潮社フォーサイト)の以下の記事が話題になっていました。

 

最近では特に若者の「内向き志向」が指摘されている。海外に出かけることを好まないというのだ。(中略)
20代のパスポートの新規取得率は、1995年に9.5%だったものが、2003年には5%に落ち込み、その後、6%前後で推移。2017年には若干上昇したものの、6.9%だ。取得率で見れば、明らかに低迷している。

日本の若者が気付けない自らの「貧困」。海外に出ない、その裏事情 | ハフポスト

 

どこかで聞いたような若者の「内向き志向」を憂う記事なのですが、このパスポートの新規取得率についてツッコミを入れようかと思っていたところ、大変すばやく「More Access! More Fun」さんから記事が出ました。

 

www.landerblue.co.jp

 

上記の記事と私の主張はだいたい同じにはなるのですが、上記記事には細かな誤り(というか誤認)があり、また、ハフポスにも他に誤りというか事実誤認をさせるような書き方があったりとか、そもそも「若者の海外離れ」はどのような変遷をたどってきたのか、というのを、手短にまとめてみたので、二番煎じのような感じになってしまったのですが(でも書き直しですよ…)、それでもよければお読みください。

 

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「戦争は外交の失敗」と誰が定義したのか、要約は口にあまし

ふらっとTLに流れてきて(誰だったかは忘れてしまった)、ちょっと調べてみようかなと思ったので、今日も「この名言誰が言った」のコーナーです。

 


坂本龍一が語る日本...WEB限定ノーカット版2(14/03/30)

 

上記の動画の1:13あたりから切り取られた動画がTwitter上で取り上げられており、坂本氏の言う「戦争は外交の失敗」という表現が話題になっていました。Twitterでは最近*1流れてきましたが、このインタビュー自体は2014年3月29日に、「ポータル ANNニュース&スポーツ」で放送されたものです。

 

さて、彼はこんな風に語っています。

 

「戦争は外交の失敗である」と定義されてます。だから、よくね、攻めてきたらどうすんだということを言う人がいますけど、攻められないようにするのが、日々、するのが外交の力なんですよ。

 

私は内容にはあんまり興味がないのですが、「戦争が外交の失敗であると定義されてます」という一文が気になりました。どっかで聞いたような気もしますが、果たして誰が定義したんでしょうか?

 

【目次】

  • ドラッカーの言葉?
  • トニー・ベンの言葉?
  • 「最後の四重奏」には記載がある 
  • 「外交の失敗」の文脈
  • 「ドラッカー」の言葉なのか?
  • 今日のまとめ

 

 

*1:

とはいっても、2019年8月にも一度バズっています。今回バズっていたのは、同一人物がもう一度流したものと、あとパクツイっぽいものです。

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【追記・訂正】ソクラテスは「無知は罪なり…」と言っていないのか、踏み越える人

【1月11日追記】

情報を頂きまして、なんとこの名言の引用元(らしきもの)がわかりましたので、「変遷」の項に追記します。これが事実だと、私の推測のほとんどが誤りになり、なんとも恥ずかしい記事になりました。また、「知は空虚なり」のギリシャ語などの引用に誤りがあったのでそちらも訂正します。

また、内容としては、プラトンの他の著作である「プロタゴラス」などにも似たような記載があるとのことですが、内容を確認できていないので確認したら追記します。

 

 

さあ、今日はみなさんお待ちかね、名言シリーズ*1です。

 

先日、Twitterのトレンドに「無知の知」が入っていて、急に知能指数があがった感じだったのでびっくりしたのですが、そんなソクラテスの格言として、以下のものが紹介されていました。

 

無知は罪なり 知は空虚なり 英知持つもの英雄なり

無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なりの意味 - 無知は罪なり、... - Yahoo!知恵袋

 

「無知の知」は有名ですが、「無知は罪」というくだりは初めて聞いたのでいぶかしんでいたところ、さっそくいろいろな人に「それはソクラテスは言っていないのではないか」と言われていました。私は知らなかったのですが、結構有名みたいで、ググるといっぱい出てきており、思索的なブログからビジネスマンの格言集、果ては中学生の作文コンクールにまで引用されてました*2

 

「〇〇が言った」という名言の8割(当社比)の出所は怪しいものですが、基本的に私の名言に対するスタンスは、「火のない所に煙は立たぬ」なので、調べてみたところ、あながち「ソクラテスは言っていない」とも言い切れないのではないか、と思いましたので、つらつらと書いてみます。

 

【目次】

  • 「無知は罪なり」は典拠がある
  • 「知は空虚なり」も典拠がある
  • 「無知は罪なり、知は空虚なり…」の変遷
  • 今日のまとめ

 

*1:

過去の名言シリーズ

 

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*2:

沖縄タイムス 2019年12月4日 P18に、県教育委員会教育長賞の作文の中で、ソクラテスの言葉として引用されておりました。

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2019年努力とアクセス数反比例記事リスト、よいお年を

早いもので、もう年の瀬ですね。

 

今年は全部で38の記事を掲載しました。大体1か月に3~4回更新したことになります。書く材料はいくつもあるので、更新頻度をあげたいのですが、現実との兼ね合いもあるので、今の書き方ではこのぐらいが限度ですねえ。急に更新頻度があがったらいろいろ察してください。

 

私は俗人なもので、書いた記事のアクセスが増えれば大変機嫌よく一日を過ごします。逆に、苦労をして書いたのに、あんまり読まれていないと、「これだから日本人は…」などと世の中を憂いたりしています(うそです)。

 

というわけで、今年はそんな風にして努力とアクセス数が反比例した過去記事を供養として(口惜しさとともに)お示しして、一年のまとめにしようかなと思います。ドラマの総集編みたいなものなので、お暇な方だけどうぞ。

 

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【☆追記】黒タイツのブラック校則をめぐる報道のありかたについての考察、ぼくらは戦争したいわけじゃない

【12 月 27 日追記】
斐太高校の生徒の方からのコメントを「生徒の反応について」という項にて掲載いたしました。本記事の結論としてはおおよそ変わりはありませんが、より各種報道に関する事実確認の不足が指摘できるのではないかと思います。

 

おかげさまでこのブログも開設して5年が経とうとしています。右も左もわからず、というよりは、気ままに始めたものですので、ここまで続いていることはお読みいただいている方に感謝をするとともに、たまさかの僥倖であることを肝に銘じながら今日も記事を書いていきます。

 

読者の方が増えるにつれ、「●●を調べてほしい」という依頼をいただくこともあります。それを記事にすることもありますが*1、たいていはあまり芳しいお返事ができずにそのままにしてしまっています(ごめんなさい)。実は今日の記事もそのような依頼案件なのですが、調べてみると大変興味深く、珍しく記事化しました。

 

さて、前置きが長くなりましたが、以下の「ブラック校則」に関する記事をご記憶の方も多いことでしょう。

 

あなたの会社にストッキングの色まで指定する規則が、もしもあったらどう思いますか?
そんな規則、本当にあるの?と思うかもしれません。
でも、あるんです。
それは会社ではなく、ある高校の校則。
「校則だから、しかたないんじゃないの」
「昔からそんな問題はあるって」
そんな声も聞こえてきそうですが、ちょっと事情が違うようです。

News Up 黒タイツがダメなワケ 校則とのたたかい | NHKニュース(時期によってはリンク切れの可能性があります)

 

こちらは、12月10日のおはよう日本で放送されたものの文字化であると思いますが、岐阜県立斐太高校の校則が、寒冷地でもあるにも関わらず「ベージュのストッキング」しか認めておらず、生徒たちが黒タイツの着用を認めてもらうべく校則を変える、という内容です。

 

ネット上では、黒タイツの方がよいという理由を「主観」「変える理由が見当たらない」などとして当初変更を認めなかった校長への批判がかなり集まっていました。今回の依頼は、同校の卒業生の方からで、果たして事実はそのようなことだったのか、公正な観点からの記事を書いてほしいとのことでしたので、どちらが正しいということよりかは、「その情報は誰の立場で発信されたものなのか」という点を皆様に考えてもらいたいかと思います。

 

【目次】

  • 「黒タイツ」の校則変更にかかる時系列
  • ③2018年度のアンケートはなぜ実施されなかったのか
  • ⑦アンケートの主体は誰か
  • ⑨要望書への回答が2カ月経った理由
  • ⑩「生活指針検討会議」はなぜ設置されたのか
  • 校長はどう思っているか
  • 生徒の反応について
    • ① 9 月の校則変更否決について
    • ②先生のコメントはあったか
    • ③校則が変更されたことについての感想
    • ④校則の変更についての周りの反応
    • ⑤NHKの報道についての反応
    • 生徒側のコメントから感じること
  • 今回の報道への私見
  • 今日のまとめ

 

 

 

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2019年版ヤジ議員ランキング、石を投げるなら

もう1カ月経ってしまいましたが、こんな記事を読みました。

 

6日の衆院予算委員会で、国民の範たるべき安倍晋三首相が、またも閣僚席から国会議員にヤジを飛ばしたのだ。これまでも物議を醸した首相のヤジや不規則発言だが、国会会議録を調べると出るわ出るわ、今年だけでその数、20回超……。

やまぬ安倍首相のヤジ 今年だけで不規則発言20回超「民主主義の危機」 - 毎日新聞

 

安倍首相のヤジ(不規則発言)が、今年だけで「20回超」(記事内では26回)あったというものです。記事は相変わらずの有料記事ですが、政治評論家の森田実氏の「これほど品格に欠け、民主主義を揺るがすような発言が相次いだことはなかった」というコメントを載せ、安倍首相のヤジが特別多いという印象で記事は構成されています。

 

この記事を書いた記者は、私が以前指摘した「任命責任を49回言った」という*1杜撰な記事を書いた方なんですが、こういう数字をマクラにして記事を書くのが好きなお方なんですね。

 

今回は、「本当に20回超不規則発言をしていたのか」というよりも、この「20回超/年」という数字は果たして記者が書くように多いものなのかどうか、というところを調べてみたところ、どうしても正確に書くには全ての議員の発言をチェックする必要があり、結果的に「ヤジ議員ランキング*2」ができたので、話のタネにでも読んでください。

 

*1:

 

www.netlorechase.net

 

*2:本来は「不規則発言ランキング」なので、そういうタイトルにすべきなのですが、そこらへんは毎日に倣いました

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政治の不祥事と芸能人の逮捕の関係性を(無理やり)考えてみる、木は黙っているから好きだ

いわゆる芸能人と称する方々も陰謀論は好まれるようで、こんなツイートがかなり話題になっていました。

 

 

基本的にはツッコミ一色ですが、一番話題になっていたラサール氏以外にも、いろいろな方々が呟いておりました。

 

ところが、「政治の不祥事が起こると芸能人が逮捕される」みたいな話をまじめに公平に考えようとすると、意外に大変なんですね。そもそも、「芸能人」といってもピンからキリまでいるし、「政治の不祥事」についても程度は様々です。また、不祥事が起こった日をいつにするか、起こってからどれぐらいまでの「芸能人の逮捕」が「政治の不祥事」と関与しているか、など、正確に決めなければならないことがたくさんあり、内容に比べて割の合わない検証になることは確実です。

 

ということで、今回は考え方を変えて、「あんまりまじめにやんなくていいぃやあもらいなき」という気持ちの元、検証とも呼べないような駄文で、果たして本当に「政治の不祥事と芸能人の逮捕」は関係するかを調べてみました。

 

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