さて、チャイナクオリティ=低品質の図式が成り立ってもうずいぶんと経ちますが、こんな記事が載りました。
Yuntai山(雲台山)に、二週間ほど前からガラス張りの回廊ができたようなんですが、さっそく誰かがコップを落としてヒビが入ったんだとか。こわいですねえ。
どうでもいいですが、3540フィートは108メートルどこの騒ぎではなく、1080メートルの間違いですね。こういう細かいところから、記事の信憑性は失われていくので(誰かが面積の掛け算ができなかったように)、どこまで本当のことを載せているのか検証してみましょう。
ソースもとのDailymailから読んでいきましょう。
日本の記事内に「マグカップ」を落としたと記述がありますが、正確には「stainless steel mug」ですね。日本語の「マグカップ」ではずいぶんニュアンスが変わってしまうので、こういう細かい翻訳もお気をつけ願いたいですね。
なんて姑みたいに細かいところをやかましく言いますが、まあおおむねDailymailの記事と日本の記事はそんなに大差はありませんね。
しかし、中国の話なんですから、中国のソースを洗いましょう。Dailymailは以下のサイトを引用元にあげています。
これは10月6日の記事ですね。中国語はわからないのでGoogle先生に頼るのですが、まあなんとなく漢字を読んでるとわかりますね。
Weiboという中国のtwitterみたいなやつで、9月20日に投稿されたとあります。他のサイトも参考にすると、10月5日の記事が出てきます。
「李东海说赫宰你好我的爱」というHNの人が投稿したとあります。*1。特にWeiboのアドレスは載せませんが、前掲した記事に投稿したときの画像が載っているので、まあ確かなんでしょう。
うーん、やっぱりチャイナクオリティは信用ならんのでしょうか。
と思って、もう一度Dailymailを読んでみると、最後のほうに「Hunan」におなじようなガラス製の橋があるという記述があります。おお、そうなんだと思って調べると、ありました。
Wikipediaによれば*2、2011年の9月にできたんだとか。とりあえずさらったかんじでは、今までこのガラス製の通路は割れたことがないみたいですよ。そんなに中国製って悪いのかしらん。
世界的に見て、このガラス製の床の強度って、どんな感じなんでしょう。「ガラス 床 割れる」でぐぐってみると、あれ、結構そういうニュースって出てくるじゃないですか。
たとえばイギリスのタワーブリッジ。
たとえばシカゴのウィリスタワー。
そうはいっても中国の武漢でも。
ふーん、結構世界中で割れてるじゃないですか。
このガラス会社の説明がわかりやすかったのですが(床板ガラスの考え方|中島硝子工業株式会社)、完全に割れないガラスというのはなかなか難しいんですね。だから、合わせガラスにして、中のガラスが割れないようにするといった安全策の処置を施していくんですね。
ニュースにあるようなガラス床の割れている事故は、基本的にこの合わせガラスによる、表面のガラス(もしくはコーティング)が割れただけのようなので、言ってしまえば、こうした「安全策が働いた」状態なんですね。
だから、今回の中国のSkywalkに関しても、表面のガラスだけが割れているようなので、安全策が働いている状態のように見えます。だからまあ、そんなにチャイナクオリティーを連呼しなくてもいいんじゃないかなあと思います。
だけど、なんとなーくやっぱり信用しきれないのは、やっぱり今までのいろいろな経緯があるからでしょうねえ。『Back to the future』であったような、「What do you mean, Doc? All the best stuff is made in China」と、マーティが答える日は来るんでしょうか。*3
*1:本人はすでに投稿を削除しています。世界どこでも、炎上するとやっかいなんですね。ちなみにDailymailでは漢字が使えないので、「lidonghaishuohezainihaowodehai」とやたらめったら長い名前の人になっています。K-pop好きの、向こうの腐女子って感じです。