ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

がんの検診率を100%にすることに意味はあるのか、がんでなくても人は死ぬ

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都知事選に、ジャーナリストの鳥越さんが出ると話題です。

thepage.jp

ネット的には、鳥越さんはどうも不人気のようなのですが*1、最初の表明会見の「雰囲気」は、まあ、個人的には悪くなかったんじゃないかな、と思います。なんといっても余裕な感じがありました*2

 

しかし、次の日の4候補による共同会見は、なかなかいっぱいいっぱいな感じだったように見受けられました。

news.livedoor.com

 

昨日の出馬会見では一切触れられなかった「がん検診100%」なる突然の公約は、各方面でいろいろな困惑を生んだようです。

 

さて、今回は、「がん検診100%」なるものが、実現可能なのか、というより、そもそも東京都が行うこととして意味があるのかどうか、というところを探っていきたいと思います。

 

*1:Googleのサジェスチョンでは「鳥越 左翼」「鳥越 在日」など、なかなか不穏なワードが出てきます

*2:とはいっても、東京の出生率を間違えたり、昭和十五年生まれなのに終戦時は「二十歳」といったり、アヤシイ感じはありましたが

痛いニュース(ノ∀`) : 鳥越氏 「私は昭和15年の生まれで終戦の時20歳でした」(注:終戦は昭和20年、鳥越氏は5歳) - ライブドアブログ

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FFみたいなニューヨークのビルはできるのか、投機的デザイン

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さて、ツイッターで、ファイナルファンタジーに出てきそうな超高層ビルがニューヨークにできると話題です。

 

 

確かに、ビルにあるまじき彫刻やらそのばかでかさは、とても目を引きますね。ツイッターのコメントも、「さすが自由の国」「日本なら絶対無理」「地震無いし」「同時多発テロのあとによくこんなもん作る気になるな」などと、アメリカ(いろんな意味で)すげーな、みたいなものが並んでいます。

 

しかしいつものごとく、この手の話題には懐疑的なワタクシなので、早速調べてみました。

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プーチンは死亡していたりISを殲滅したりしているのか、スレタイ詐欺にご用心

以前、江川さんだったか、日本人ほどロシア文学を読み込んでいる他国の人間はいないのではないか、と書いていたのを目にしましたが、どうもみなさんロシア関係の話題はお好きなようで、こんな記事がありました。

 

blog.livedoor.jp

 

ロシアが「Admiral Kuznetsov」という空母をシリアに派遣するというニュースなのですが、ソースのParsTodayを読む限り、どこにも「バングラデシュのテロをうけて」とは書かれてないですし、「追悼」云々の文字も見えません。

 

parstoday.com

 

2ちゃんの元スレッドでは、「プーチンさん、バングラデシュで殺害された20人の追悼のために20万人を虐殺すると宣言」と、ずいぶんあることないこと書かれています*1

 

続けて、「プーチンがいなくなった」というニュースも話題になっています。

news.infoseek.co.jp

 

7月1日を最後に、プーチンが姿を見せず、出張の予定もキャンセルされたので、健康不安説も出ているということです。巷では「プーチン死亡」みたいなスレタイも目立ちます*2

 

いわゆる「スレタイ詐欺」というやつなんですが、今日は簡単に元記事含めて検証してみようかと思います。

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マジックに失敗したマジシャンと女性のその後

マジックに失敗したマジシャンの話がニュースになってます。

blog.livedoor.jp

動画は閲覧注意ではありますが、紙袋のどれかに上向きの釘が入っていて、手で思い切り紙袋をつぶして、最後まで釘を残すというマジックのようで、それに挑戦した女性キャスターの手に、見事にぶっささってしまったという動画です。

 

実際とっても痛そうだし、スタジオの空気も微妙な感じなのではありますが、「これも含めてフェイクではないか?」というようなコメントもちらほらありますので、今日は手短に事実を検証したいと思います。

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シリアルキラーの絵を燃やしている団体は存在するか、アメリカの夢・殺人者の夢

IT〈1〉 (文春文庫)

こんなツイートが話題を集めています。

 

 

John Wayne Gacyは後述しますが1980年代の稀代のシリアル・キラーで、33人もの少年や青年を殺害し、死刑になっています。彼のピエロに代表される絵が、現在銀座のヴァニラ画廊で、「シリアルキラー展」として、展示されている*1ことに関連してのツイートのようです。

 

しかしながら、本当にそんな「映画みたいな話」が存在するのかどうか、ちょびっと調べてみました。

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パスワードは定期的に変更してはいけないのか、デジタルネイティブの末路

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お久しぶりでございます。どうしても眠くて眠くてなかなか更新できませんでした。更新できない間に、ああ、これを取り上げればよかったという話題がどんどん通り過ぎていきました。

さて、こんなIT関係の話が話題です。

nlab.itmedia.co.jp

NIST(米国国立標準技術研究所)が、デジタル認証のガイドラインとして、「SP800-63B」という名称で、「パスワードの定期変更をするべきではない」「秘密の質問も使用してはならない」という報告書を出した、というお話です。確かに、何日か経つとパスワードの変更を強制的に求められるのって、ちょーめんどうですよね。

 

うーん、しかしながらこの話、GoogleUSなどで検索をかけてみたんですが、実は日本以外でそれほど話題になっていないんですね*1。この話は、いったいどこまで正確なんでしょうか。検証してみたいと思います*2

 

*1:たとえば

https://www.google.co.jp/?hl=en&gws_rd=cr&ei=aMxzV97fLobo0ATe9IOADQ#hl=en&q=nist+800-63B

*2:今回の英語は専門用語だらけでかなり苦労しました。

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警察官は必ず敬礼を返さなければならないのか、ぼくらはみんな歴史の中を生きている

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警察の敬礼に関する、こんな話が話題です。

www.scienceplus2ch.com

警察官が敬礼をすると、結構返してくれるのは、「警察礼式第八条」に「敬礼を受けたときは、何人に対しても、必ず答礼を行わなければならない」という規定があるからなんだそうです。

ほんまかいなと思って調べてみると、確かに「警察礼式」というものは存在していて、なおかつ、同じことが書いてありますね。

(答礼)
第八条  敬礼を受けたときは、何人に対しても、必ず答礼を行わなければならない。

警察礼式

なるほどー、と思って終わってもいいのですが、なぜこんな条項があるのか、不思議ではありませんか?ということで、過去を遡って調べてみると、なかなか興味深いことがいくつかわかったので、今回はそのまとめをしてみたいと思います*1

 

*1:正確に言えば、「敬礼」はよくある右手を頭らへんにやる「挙手注目」だけでなく、お辞儀や手を胸にあてるものなど色々あります。が、本稿では特に記載がない限り、「敬礼」は「挙手注目」を指すものとします。

また、警察官が行わなければならないのは「答礼」であって、「敬礼」に対する返事とするなら、「答礼」が正確ですね。タイトルはわかりやすいように「敬礼」としましたが、ご容赦ください。

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