ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

ベトナムの彼はカモをとってはいけないと知らなかったのか、片側通行の多文化理解

今日は文化の違いのお話です。

 

NHKにめずらしいニュースが流れました。

 

東京・江戸川区の公園でかわいらしい姿を見せていたカルガモが、近くに住むベトナム人に捕まえられてしまいました。ベトナム人は「日本の食事が口に合わずカモを使ってベトナム料理を作るつもりだった」と話していて、警視庁は鳥獣保護法違反の疑いで書類送検しました。

「日本食合わず…」公園のカルガモ捕獲 ベトナム人 書類送検 | NHKニュース

 

今回、私が気になったのは、これを受けたツイートです。もとのものは載せませんが、「彼は野生のカモをとってはいけないのを知らなかっただけ」なのに、このような報道をすることに悪意を感じる、というようなことを呟いていました。

 

なんとなく私はこの発言を読んで、大変モヤモヤしてしまったので、モヤモヤしてしまったことを、自分なりに解消するための、今日は個人的な記事だと思ってください。「自分はそうは思わないなあ」という人も、たぶん中にはいらっしゃるかと思います。

 

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Yahoo!ニュースの見出しは「自民は党名抜き、立憲民主なら党名あり」なのか、ブラインドタッチの神託

見出し詐欺というのは世人に嫌われることこの上ないものですが、Yahoo!ニュースにおいて、その見出しが偏向的に変更されているのではないかという話。

 

不祥事の絶対数が明らかに多いにもかかわらず、見出しから徹底して党名が省かれる自民党。一方で必ずといっていいほど党名が入れられる立憲民主党など野党

もし見出しにちゃんと党名が入っていれば、自民党議員の不祥事の多さが可視化され、自浄を促す有権者の声も強まるはずですが、Yahoo!ニュースはどうしてこのような見出しの付け方を採用しているのでしょうか。

議員不祥事「自民は党名抜き、立憲民主なら党名あり」、Yahoo!ニュース見出しの怪 | BUZZAP!(バザップ!)

 

Yahoo!ニュースの政治家の不祥事のニュースでは、なぜか自民党の党名は抜かれているというのを検証した、という記事です。

 

しかし、検証したと言う割には、いったいどれほどの数のそのような「偏向的な」見出しがあったのかもわからず、全体的にふわーっとした感じで書かれた記事でしたので、本日は検証の検証という形で記事を書いてみました。

 

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フランスでは「親1」「親2」と呼ぶのか、そして途方に暮れる

今日はフランスの両親の呼び方の話。

 

 

既にツイートのレスには、「書類上の話では?」というツッコミが入っていますが、私も気になっていたので、少しこの話についてまとめてみました。

 

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それ本当?ホットドッグの語源について調べてみた!、あなたが落としたのは真実の斧ですか

ホットドッグは、今では日本でもメジャーな食べ物になってますよね。でも、その言葉の由来について考えたことはありますか? 「熱い犬」、なんて変な表現ですよね。

 

その語源について、先日のNHK「チコちゃんに叱られる」で、放送されていました*1

 

その人気ぶりを表現するため、新聞にパンに挟まれたダックスフンドのイラストを載せた。添え書きにはダックスフンドと書く予定だったが、イラストを描いた漫画家がダックスフンドの綴りが分からなかったため、ホットドッグと書き浸透したと解説した。

NHK『チコちゃんに叱られる』のデーブ・スペクターが話題 「英語初めて聞いた」|ニフティニュース

 

もともとはホットドッグは「ホット・ダックスフンド・ソーセージ」と呼ばれていたんですけど、漫画家が綴りを知らなかったために、「ホットドッグ」と書き、それが広まったんだとか。

 

というわけで、今日は、その語源マジで本当なの?というところを調べてみました!

 

 

*1:

2019年2月8日放送。日付を正確に書かないのもキュレーションサイトの特徴ですよね。

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「酒は百薬の長」は誤りなのか、わからないことはわからない

私はお酒はあまり嗜まないんですが、今日はお酒に関するネットロア。

 

 

「酒は適量なら体にいい」説の根拠としていた研究の、「お酒を全く飲まない人」に、「病気でお酒をやめた人」も含まれていたため、それを取り除いたら、飲めば飲むほど死亡リスクがあがる結果になった、という話。

 

しかし、番組のグラフのテキトーさ加減(引用元が曖昧、数字もない)が気になったので、ほんとうにそうなのかしらん、という感じでいつものように調べてみました。

 

 

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ドイツでインフルエンザは流行していないのか、そのリツイート大丈夫?

みなさんの周りはインフルエンザは大丈夫ですか? 私は記憶にある限り一回もかかったことがないのですが、今日はインフルエンザのドイツでのお話。

 

 

以上のツイートに、体調が悪くても休めない日本の労働環境の悪さに対する怨嗟のリプがぶら下がっています。

 

実は、おんなじようなツイートが、ちょうど1年前にもありました。

 

 

別にパクツイだなんだと言いたいのではなく、きっとドイツに暮らす日本人の感想としては一般的なものなのかなあと思ったまでです。

 

ですが、果たして本当にそうなのか、というのを当時も思って調べようとしたのですが、ちょっとドイツ語が面倒くさくてお蔵入りにしてしまったので、1年越しに調べてみようかなと思います。

 

 

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NYの地下鉄はペットを連れて乗っていいのか、2年後にまた会いましょう

日本でも、電車の中でペットをケージやカバンのようなものに入れている人を見かけますが、ニューヨークの地下鉄では、ペットの連れこみについて、「バッグに入らない動物は連れ込み禁止」という新しいルールができたという話。

 

しかし困るのは、バッグに入らない大きさの犬である。たとえ動物がバッグに入ったとしても、それを持ち歩くのは激しく疲れる。そんな事実上の「大きい犬は乗せられないよ」というルールに反発し、とんでもないやり方で大きな犬を地下鉄に連れ込んでいる人が出現し、注目を集めている。

【話題】ニューヨークで「バッグに入らない動物」の連れ込み禁止 / 賢いやり方で連れ込む人が出現 | バズプラスニュース Buzz+

 

どんなのかというと、こんなの。記事とは別の写真ですが。

 

 

いろいろよくない噂のあるBuzz+の記事は、1月7日に投稿されてバズったツイートのパクリ記事ですが、私が気になったのは、これを「新しいルール」として、さも最近作られたルールであるかのように紹介していることです。これはBuzz+に限らず、このことを紹介する場合には、枕詞のように使われています。

 

 ニューヨークの地下鉄では、「カバンに入らないサイズの動物の持ち込みは禁止」というルールが設けられた

「かばんに入らない動物は持ち込み禁止」ではこれでどうだ?コーギー犬、すぽっとリュックに入り地下鉄のアイドルに : マランダー

 

 ニューヨーク市営地下鉄では、列車内への動物の持ち込みについて「キャリーケースやバッグなどに入らないペットの持ち込み禁止」というルールを定めた

ニューヨークの地下鉄犬事情。「バッグに入らない動物の持ち込み禁止」というルールを独創的に守るニューヨーカーたち : カラパイア

 

ニューヨークの地下鉄が、キャリーケースやキャリーバッグに入っていないペットは持ち込み禁止のルールを新たに設けました

ニューヨーク地下鉄「キャリーケースに入ってないペットは持ち込み禁止」→「その結果、こんな光景を見ることになった」 (2016年8月18日) - エキサイトニュース

 

果たしてこのルール、最近できたものなのか?というところを調べてみました。

 

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