私は自身の根底には児童文学があると思うのですが、私の好きだった「ぽっぺん先生」シリーズの舟崎先生がお亡くなりになったということです。
「ぽっぺん先生」シリーズは、独活大学生物学部の助教授のぽっぺん先生というおじさまが主人公なんですが、毎回動物がらみの不思議な出来事に巻き込まれていくというお話です。
児童文学はだいたい読者と同年代の子どもが主人公になるので、しょぼくれたおじさんが主人公になること自体が珍しいのですが、当時はケタケタ笑いながら読んでいました。確か『ぽっぺん先生と鏡の女王』だったと思うのですが、ぽっぺん先生が人生初の見合いをしてしどろもどろになっている場面なんか、ずいぶん面白かったなあと思います。
また、結構動物関係のウンチクが出てくるのですが、これもなかなか面白かった。『ぽっぺん先生の博物誌』だったかな、そこで、日本で嫌われ者のカラスが、ドイツでは縁起のいい鳥として扱われていることが書いてあったりして、読んでいたのは小学生の頃でしたが、感心しながら読んでいました。ウンチク好きになったのはぽっぺん先生の影響かもしれません。
舟崎先生は他にも『ピカソ君探偵』シリーズが有名かなと思いますが、これは名探偵コナンとのぱくり疑惑のほうで有名になったかもしれませんね*1。
主人公のピカソ君は23歳ですが、事故により身体は五年生のままでなぜか小学校に通っています。ジタノを愛煙するスーツ姿の渋い小学生なんですが、定期的にワクチン注射をしたり、スポーツカーをかっとばしたり、バーで酒を飲んだり、およそ児童文学的でない主人公にとても魅力を覚えました。
私は児童文学の世界では三田村信行も好きなんですが、こういう子ども子どもしていない作品が描かれたのが好きな子どもだったんですね。これを機会にどうぞ皆様も読んでください。