ネットロアをめぐる冒険

ネットにちらばる都市伝説=ネットロアを、できるかぎり解決していきます。

2019年努力とアクセス数反比例記事リスト、よいお年を

早いもので、もう年の瀬ですね。

 

今年は全部で38の記事を掲載しました。大体1か月に3~4回更新したことになります。書く材料はいくつもあるので、更新頻度をあげたいのですが、現実との兼ね合いもあるので、今の書き方ではこのぐらいが限度ですねえ。急に更新頻度があがったらいろいろ察してください。

 

私は俗人なもので、書いた記事のアクセスが増えれば大変機嫌よく一日を過ごします。逆に、苦労をして書いたのに、あんまり読まれていないと、「これだから日本人は…」などと世の中を憂いたりしています(うそです)。

 

というわけで、今年はそんな風にして努力とアクセス数が反比例した過去記事を供養として(口惜しさとともに)お示しして、一年のまとめにしようかなと思います。ドラマの総集編みたいなものなので、お暇な方だけどうぞ。

 

 

抱っこひも外し 

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これは神奈川県内のバス会社ほぼ全てに連絡をとり、「抱っこひもが外された」という事象が確認されなかったということから、さも抱っこひも外しが多発しているかのように報道するメディアのありかたを問うたものですが、書き方をかなり苦労した割に、あんまり読まれなかった記事です。結論が「抱っこひも外しはデマ」とは書ききれないところがあるので、仕方がないといえば仕方がない。結論の出ない記事を皆さん好まないんですよね…

 

 

日高の遺書 

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これはたぶん今年一番苦労して書いた記事で、国会図書館に二度も足を運び、OCRと無縁の北海道新聞をそれこそ一枚一枚丹念に読み、奥尻島の広報誌も十数年さらい、「日高の遺書」の事実性に疑問符を投げかけたものです。確かこの遺書を載せたツイートを見て調べ始めたと思うのですが、結局2カ月ぐらいかかってしまいました。

 

読まれなかった原因は単純で、時機を逸していたことと、あんまりメジャーな話題じゃなかったことと(日高の遺書って知ってました?)、これだけ調べて、「日高の遺書の日付か事故の場所が間違っている」しか確実なことが言えなかったからです。いや、本当に読まれませんでした。残念。

 

 

はたらくくるまの戦車の話

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子ども向けの「はたらくくるま」の図鑑に自衛隊の車両がたくさん載っているということで、炎上していた話を調べたものです。100冊ほどの子ども向けの図鑑を調べ、みんなが思うほど自衛隊の車両が図鑑に載っていることは不適切なのか、というところを調べました。基本的には多くの図鑑に自衛隊の車両は掲載されているものの、くだんの講談社の図鑑は割合としてみると突出して多く、不適切にみられるのも致し方なかろう、というような話でした。

 

自衛隊に対する国民感情の変遷とからめて記事を書いたのですが、読み返してみると、まあ確かに、あんまり面白くないかな…

 

毎日新聞の安倍首相関連の話

 

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(忘れてたのであとで追記しました)

 

毎日新聞が、国会会議録を使って、安倍首相の「任命責任」やヤジをどれぐらい言ったか、みたいな話をしていたので、それを丁寧に数えなおした記事。政治ネタはみなさんお好きなのかアクセスが伸びる傾向にあるのですが(私はあんまり好きじゃないけど)、これは本当に読まれなかった。まあ、地味な内容ですからね…。事実をどのように使うかで、いかようにでも事実の中身は変えられる、という好例だとは思います。

 

 

台風19号の話

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逆に、あまり労をかけなかったのにアクセスが多かったのは上記のスポニチの台風19号の記事の誤謬を正したものです。最近はネットだけで調べものが完結するとズルをしている気持ちになるんですが、これはスピード重視で書きましたので、2時間ぐらいで一気に書き上げた記憶があります。確かスポニチの記事が出たその日のうちに書いたんじゃないかと思います。やっぱり時事性というのは大事ですね。

 

「ブラック校則」の話

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そして、最近書いたこれも、みんなあんなに話題にしてたのに…という感じがします。この記事については、生徒や学校に取材を行い、その思いを感じたらこそ、もう少しみんなに読まれてほしいなあと思っています。

 

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今年残念だったのは、GoHooを運営していた日本報道検証機構が解散したことです。

 

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運営面において困難があったということですが、確かに検証には時間もお金もかかります。私は趣味で細々やってるのでいいんですが、ちゃんとやってこうと思うと、やっぱり大変ですよね。何より検証記事は読まれないですよね。私の記事に限らず、元記事よりも読まれてる記事なんてみたことありません。流行らないわけです。

 

でも、こういうのは碑文的に残しておくのも大事なのかなあと思います。いつか誰かが調べた時に気が付けるよう、その人がその続きから調べられるよう。ネットは石碑のように長らくは残りませんが、はてなが少しでも長続きして、みなさまの調べ物の一助になれればうれしいです。

 

それでは、皆様よいお年を。